詩人:望月 ゆき
手をつないで深いところまで、いってしまった引いてゆくまにまに記憶の砂がすれあってはかすかに音をたてるノートブックの波に毎日つづった、日記夕立ちをよけて、キスをして、ときどき、黙ったねえわたしたちの夏は終わってゆくけどかわらないものも、あるねセロハンの水面転写された、北極星をめじるしにわたしたちはいつまでも触れあえないままさよならだけを、すりぬけてゆくどこまで泳いでもかなしい、さかな