詩人:タンバリン
川沿い、ずっと。湿気た水上公園川を何度も渡り直した。せせらぎに佇んで、トンボと遊んだ。道のない、草むらも歩いた。長い距離を、スーツで。エンストした乗り物と一緒に、おじさんが声を掛けて来た。「やっぱり、あんたも迷子か。」苦笑い、どうせ本心ない。学校の脇を、工事現場の下を潰れた店の横を、小さな虫たちの上を。僕は歩いた。馬鹿だな、みんな。目が、開かないんだよ。