詩人:もとり
闇は空一面に染め上げて
蛍をばら撒いたような霞んだ星の光
街は静けさとうってかわり
華やかな世界へと変貌する
街のネオンの光だとか
夜になると騒がしくなる街並みだとか
全部嘘っぱちにみえてきて
生きてる意味やら
私の存在やら
輪郭がぼやけてきてしまう
ふわりふわりと
香水をふりまいた蝶達が
私の前を通り過ぎる
蝶達に魅せられた虫達は
言葉巧みに誘い出す
私もそちらの世界へいけたなら
独りじゃないのかな
月は少し顔を隠して何もかも見透かすように
星は切なげに輝きを保ったままで
まだ夜は始まったばかり