詩人:梅宮 蛍
何をそんなに苛立つことがあるのか 空が地を打ち据える
ときに激しく ときに弱く
私は部屋で独り じっと息を殺している
鞭の音 張り手の音 愛の音 哀しみの音
どんな音色とも思えるそれを
息を殺して聞いている
何がそんなに憎いのか 空が地を睨みつける
ジリ ジリ と 灼くほどに
私は部屋で独り じっとそれを見ている
白くて 全てが灰になりそうだよ
窓のこちら 快適で安全な箱の中から
ただ聞いている ただ見ている
ああ
ああ、そうか
あれ等が憎いのは地ではないのか
『私』達なのか