詩人:めろでぃ
わかっているんだけど
わかっているからこそ
辛かったりする
見えているからこそ
苦しかったりする
悲しいとか
今更そんなの思わない
好きになったときから
悲しさを知っていたから
好きになってはいけないって
何度も言い聞かせて
それでも最後に
そのトビラ開けたのは
アナタの方じゃない
一番見られてはいけない場所で
一番見られちゃいけないことを
いつでも止まれるように
徐行で走ってたあたしに
ブレーキ破壊して
あたしの足の上から
アクセル踏み込んだアナタ
ナビも一時停止も赤信号も
全部無視して
目的地まで最速で
今までの回り道
取り戻すかのように
ねえちょっと
ルートから外れてるよ
ふたりで座った運転席
BGMにMissing
どこに向かってるのかわからない
もしかしたら
どこにも向かってないのかも
走っても走っても
たどり着かないのは
たどり着く場所がないから
壊れるまで走り続ける
あたしが
幸せになりたいと言えば
終わるのでしょうか
あたしの幸せは
あたたかい家庭のママになること
そう
だからアナタには
あたしを幸せにできないわ
このまま行き止まりに
突っ込んで
終わらせましょうか
いいえ
まだ終われません
だってここは環状線
まだまだ
走り続けます
まだ乗ったばかりだから
回って回って
バターになっちゃうまで
あたしを溶かして
アナタの指で
言葉で唇で吐息で鼓動で
視線で心で愛で
帰らないで
そのもうひとつの
指環の元へ…