詩人:フィリップ
言葉を探す旅に出て
いつの間にか大人になって
自分の声も
忘れてしまった
覚えたての言葉も
もうない
夜中に点けた古いラヂオから
ふとして
ありふれた言葉が飛び出した
それが何だか新鮮で
夢中になって聴いた
あの頃に似ている
あの頃と同じだ
未知ではない
いつかの言葉が溢れ出て
海になる
冒険の時代は過ぎた
今度は誰かに伝える番だ
僕たちの言葉には
生まれ来るものたちへと伝える何かがある
朝を通じて
まだ見ぬ君は知る
この世界にありふれた
僕たちの言葉を
2011/08/21 (Sun)