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[170246] この部屋で、彼を見続けはや十年

詩人:高級スプーン似

十年前の一年目。


深く深く、昏い海の底へと打ち上げられた彼の意識は、白紙の部屋に不時着した。

額縁があれば、そこに絵を飾りたくなるのが本能か。

彼は考えるよりも先に筆を持ち、思いを注いで書きはじめた。

白紙の部屋で、己と対話をするかのように。

すらすらとはいかない。

けれど、確かな第一歩。





<P***1*Y***S:number=01>

2011/08/04 (Thu)
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