詩人:緋子
嘘ではない言葉を並べる人の目は綺麗だ。
揺るぎない真実が、その人の自信と、威厳に繋がっているのだろう。
私はいつまでも汚い嘘にまみれてる。
自分でも真実と偽りの区別がもはや完全につかない。
嫌われないために作る笑顔
頭の中はいつも空っぽ
何も残らない心は不感症
それでも、生きてるふりがしたくて必死に息を吐き出したのに
わたしの耳は音を拾うことを失ってしまった
自分を疑って、自信がなくなって、居場所を失いたくないばかりに、
人間を取り繕うけれど、壊れてしまった人形のように、
まるで意志が交わらない。わたしは抜け殻。ただの死骸。
自分のために空回りして、死者甦生に必死なの。
わたしは生きたい。本当にここにいたい。
もしも溢れる嘘が真っ赤な血となって目に見えてくれたなら
きっと誰もがわたしの必死に生きる様を理解してくれるのに。