詩人:番犬
地図に表せば
たった少し
2、3ミリの線の為に
多くの砲弾と
多くの肉片
多くの年月を重ね
憎しみとなり
それらが飛び散っている
学校は学校ではなくなり
重火機の引き金の感触と
戦う為の歴史が
そこにあるだけだ
荒れ果てた山岳が墓場
望まれなかった暴力と
望まれなかった妊娠
双子みたいな悲しみが
すがりつく私生児のように
未婚の母を見つめている
弱い者の抵抗をテロと呼び
強い者の支配を対テロ戦争と呼ぶ
こびりついたプロパガンディズム
炎の温度は上昇を止めないが
人の情熱は冷めていく
昔の夢の体温も冷めていく
勇猛なチェチェンよ
お前の国は勝つのだろうか
後悔はしないのだろうか
そこまで失ってでも
勝ち得たい物の正体を
豊かな国の人である俺に
抵抗を忘れた人である俺に
教えてはくれないか