詩人:遥 カズナ
たどりついた
このあたりが
どこの海だろうが
どうにもなりはしない
縄をにぎる
手のゆびさきが
こうもこごえているのは
きっと心臓から
遠くにあるからなのだろう
縄を結わえた
さびだらけの
なさけのない
いかりを
ゆっくりと
しずめていく
なにをしにここまで
やってきたのか
やってきたなら
やらざるをえない
やってこなくて
こうなっていたから
なさけのない
いかりをゆっくりと
しずめていく
やりばのない
このいかりを
ゆっくり
そっと
しずめていく
2023/02/05 (Sun)