詩人:高級スプーン似
出かける理由は
数あれど
この部屋に
止まる理由は
無きにしも
ゆらゆら迷う
亡きものは
あの夜を漂う
覗いていたのに
視線を感じた
シフトする恐怖に
たまらず
ふっ
と
旅立ちたくなるも
呼ばれた気がして
うまく狂えず
我に戻る
背中のチャックは
空いたまま
宙ぶらりんの自分を俯瞰
始終浮遊の
保証がなければ
ままよと崩壊
いつ戻ってきても
いいように
頼まれてもいない
お留守番
隣の部屋は今も奇麗
他にやること
山ほどあれど
この部屋に止まる理由は
たったのひとつ
それは秘密
2011/11/05 (Sat)