詩人:ワタナー
今日は何もしていない
青空を眺めていただけ
秋の澄んだ青空に
鴉の影が過ぎる
黄金色に揺らぐ
オイラの稲穂の波
風はすっかり冬景色
オイラは季節外れの海水浴
ただ立っているだけだけど
オイラの目に映る
自然や街は
いつもオイラなんか
気にかけてくれなくて
鴉くらいしか
オイラを見ていてくれない
なにかあったはずだ
なにかあったはずだ
オイラにもなにかあったはずだ
今じゃ鴉すら
オイラを見てない
冬になって
オイラは用なし
この田んぼも
埋め立てられる
今度は煙になって
宙を舞い
風に乗って
世界中を見てこよう