詩人:甘味亭 真朱麻呂
悲しい気持ちを空に投げようと 投げる真似をして忘れようとしたけど それでも忘れられないんだ 心に付いた傷跡が消えてくれない限り 悲しみも消えはしないから 僕は多分このまま一生悲しみを背負い続けるしかないらしい 吹き抜ける風はいつかの涙の冷たさによく似ている いつまでもいつまでも 風は止まずに僕の寂れた心を揺らすんだ お節介な耳打ちをするように 風は吹いていた。