詩人:剛田奇作
私は知らないかつて私が、私だった頃の記憶を何かの草か、花の香り高いビルから見おろす下の通りずっと向こうにきらきらと反射するものがあるまるでカメラのフラッシュが空中で交互に光るかのようにそれはサイダーの炭酸の気泡のように天に昇っている私はそれを知っていたその香りとうつくしさを知りながらすべてを、消したあなたと構成していた、時間と気泡のように漂う透明さに戸惑っていた愚かな私さえも