詩人:甘味亭 真朱麻呂
愛はメビウスの輪のように
終わりなどありはしないもの
いつまでも続く螺旋の渦
サヨナラとだけ呟いて
君はすーっと消えていくよ
風のように
愛とはときに牙を剥くつむじ風
終わりある人の命にたぎらせる命綱
メラメラと燃え盛る魔性の炎
都会の汚れた煙い空気と
ガラス窓に刺さる
横殴りの雨
シブいタバコの吸い殻と悲しく響く誰かの靴音
サヨナラなんて言わないで
危険な香りのする女よ
いかないで…
愛の面影を残して
真っ赤な口紅で胸に刻む
最後の口づけ
心まで汚れた都会の色に蝕まれ
七色に光りながら
揺らめく灯りの向こう
唇だけでサヨナラと言いながら
立ち尽くす僕を気にも留めず
愛は去りゆく
Ar…。