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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[374] 愛の面影
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


愛はメビウスの輪のように
終わりなどありはしないもの
いつまでも続く螺旋の渦

サヨナラとだけ呟いて
君はすーっと消えていくよ
風のように

愛とはときに牙を剥くつむじ風
終わりある人の命にたぎらせる命綱
メラメラと燃え盛る魔性の炎

都会の汚れた煙い空気と
ガラス窓に刺さる
横殴りの雨
シブいタバコの吸い殻と悲しく響く誰かの靴音

サヨナラなんて言わないで
危険な香りのする女よ
いかないで…

愛の面影を残して
真っ赤な口紅で胸に刻む
最後の口づけ
心まで汚れた都会の色に蝕まれ
七色に光りながら
揺らめく灯りの向こう

唇だけでサヨナラと言いながら
立ち尽くす僕を気にも留めず
愛は去りゆく

Ar…。

2007/01/21 (Sun)

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