|
詩人:剛田奇作
ガラスのような
細かい白い砂の砂漠
少し冷たいその砂は
裸足の足をサラサラと埋めていく
透明な銀色の世界
時間の流れすら無いこの場所は
今であり、明日であり、遠い未来そのもの
すべての始まりのこの場所で
すべての終焉を優しく包む風が流れ
どこまでも続く白銀の空の向こうには
一筋の丘が、今もあるのだろう
僕は
君がここにいたのを知っているよ
君があの丘を目指して
細い足首でゆっくりと
砂を掻き分けていったのも
銀の風の便りは、君の瞳の光を教えてくれた
強めの風と砂が僕の身体を埋めていく
だんだんと揺らいでいく僕の魂では
きっとあの丘には辿り着けない
けれど僕は、満たされている
再びここに来れた喜びに
君の触れた砂に埋もれる事に