詩人:望月 ゆき
規則的に並んだ 長方形の、
石の上に横たわる
やわらかな、暗室
腕をまっすぐ 前に伸ばして
星座の距離をはかる
おや指とひとさし指で足りるほどの
遠さで
わたしを見下ろしている
そのすきまに点在する
無数の塵や、光
それらを内包して、視界は
少しずつずれていく
もう、何遍
そうやって仰いだのだろう
真上に来る瞬間を
いつも見逃してしまう
やがて通り過ぎては
消えゆくものばかり
追いかけているせいだと
見えない空が
わたしを促す
不必要なほどに
ねじまげた、からだの
右側から
沈んでいけたら、きっと
もっと
ただしい距離でつながっていられた