詩人:遥 カズナ
蓋のある漆黒のグランドピアノの弦をこそばゆらせるように黒い猫の尻尾が弦を撫でている見上げるとステンドグラスが爛漫と輝き人の自責を拾おうと手をさしのべている蓋の中からそっと、降り立った黒い猫は鉄の釘のような匂いのまるで女の性を摺り付けるようにピアノの足を撫でじっくりと固唾を呑むようなわがままさで私の足に辿り着くいいよ私の膝の上にお乗りきっと優しく撫でてやろう私も私の性を擦り付けるように