詩人:甘味亭 真朱麻呂
信号待ちをしていたんだ
青になると同時に早足に歩き出す
車の行き交う冷たいアスファルトの上を
白と黒と灰色と透明
僕の瞳に映った色
雨が日が落ちるにつれて
つよくなるって天気予報士がブラウン管の向こうで言っていた
都会の街に
雨が降りしきる
涙と区別が付かないくらい
たくさんの雨が降ってた
夜も昼も朝も
代わり映えもなく
ただただやるべきことをこなしてくだけの毎日
嫌気がさしたんだ
それでも生きてたんだ
言葉にすれば長くなるほど嘘をつき続けてきた
降り注ぐ雨と
寂しい帰り道
家へ行く道がとても長く感じた
初恋葬送曲。