詩人:蛍
少し羽根を休めているだけよ。
たまにはため息ついて一人で泣いたっていいでしょ。
気にくわない羽根を動かすのはとても疲れるの。
冷静になって考えようと思えば思うほど
自分で羽根をちぎっているの。
次から次へとくる壁を軽く飛び越えたいのだけど
私のこの羽根、ちっとも使いものにならない。
吐き気と孤独感に押し潰されて
瞳孔がぱっちり開いちゃって
涙なのか冷や汗なのかわからぬ液体ながれてきて。
でも、そのたびになぜか私の羽根は大きくなっていく。
逃げない。
逃げたりなんかしない。
さぁ、大きく広げましょう。
私の羽根よ、貴方の羽根よ
今、大きく華やかに宙へ舞う。