詩人:綾
埃っぽい春の風洗濯物が揺れているごみ袋に詰めた過去鍵は置いていこうひだまりの匂いにさそわれて呼吸する緩やかな曲がり道まだ見えない先も歩く速さでいけばいい胸のつまる思い出はシャボンのように空を掠めるくらいがいい流されたわけではなく季節をそっと越えただけ揺り起こされた気持ち右手に落ちた花びらがふっと吹かれて笑った