詩人:アルバトロス
あくまでイメージの話をしよう
僕は知らないうちに積んでいたんだ
不細工な石ころを選んで積み上げていた
この丸い地球上では
恐らくどこよりも水平だろうなって場所に立って
そこに見つけた小さな窪みに石を詰めたのが始まりだった
詰めた石の上に僕は石を器用に積んでいく
不細工な石ころだから今にも転げ落ちそうなんだけれど
なかなか落ちないもんだね、崩れないもんだね
しつこいなぁと思いながら無表情で無計画に
だけども丁寧に丁寧に崩さないように積む
目的は崩さないことでも崩すことでもない
そんなことは知っている
知っているからわからなくなる
昨日、不細工な石ころたちの塔は崩れた
誰も揺らさないのに風も吹かないのに
悔しい?
わかんない
でも散らばったそれを蹴っ飛ばしたくなったよ
僕は蹴っ飛ばさずに背を向けた
しばらく積みに来ないよ