詩人:安曇
あなたを見つけることが得意だった。
人ごみの中でも、薄暗い帰り道でも
みんなと同じ制服の後姿でも
簡単にあなたを見つけられた。
でも、秘密なんだ。
あなたに抱いている想いも
私と同じように、あなたもあの子をみていることも
秘密なんだ。
あなたの近くだと、ちょっと声が大きくなることも
あなたがあの子の前だと無口になることも
秘密。
こっそり、あなたの写真を撮ったことも
あなたが、あの子の好きなCDを買ったことも
全部ぜんぶ秘密だよ。
あなたがあの子を好きって知ってるけど、
あなたへの想いが消えてくれないから
秘密にしてないと、ちょっと痛いから
口に出したら、もっと痛くなりそうで
秘密が増えるばっかり。
ずっと、ずっと好きなのです。
これは一番の秘密ごと。