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詩人:剛田奇作
言葉を交わさなくても
のどから血を吐く程
愛する亊はできる
まず思いきり
抱き着いた
震えながら
唇に二回
それから頬に
首筋に
最後にまた抱きしめた
何も言わないで彼は前を向いていた
「ごめん先生」
きっと15秒も経っていない
私は部室を飛び出した
階段を駆け上がり
チャイムと同時に席に着いた
瞬間
涙を腕に押し付けた
こんな私を
嘲笑う権利は誰にも無い
馬鹿だとか
キモいとか
今日の放課後は彼と
何もなかったように話す
そしてもう
永久に無い
私が彼に触れる亊は