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詩人:チェシャ猫
あのころのボクらは地図さえ持たず
ただ夢中になってはしゃぎまわっていたね
なにか理由があるわけでもないけれど
いつも微笑を浮かべていられたんだ
道端で見つけたネコジャラシ
くすぐりあって転んだあの日
ガッコの帰りに見つけた路地裏の道
二人の秘密って指切りしたね
幼き日のボクらはきっと
笑えるくらいに単純で
嘘を覚えて育った今のボクを見ても
なにも知らぬ顔でほほえむのだろう
今を生きていたキミ達は
過去を振り返るボクに
切ないくらいにまぶしく映る
僕達は皆 十分すぎるくらいの夢を抱えて
生きてきたはずなのに
いつの間にか一つずつカギをかけてしまっていたんだ
「現実」という言葉のせいにして
さあ重い腰を上げよう
たまには振り返るのもいいけれど
やっぱ最後に残るのは前へ進むって道
覚えちまったなら 忘れればいい
忘れちまったなら 思い出せばいい
地図もコンパスも時計だって埋め
あの日の笑顔の意味を探しに行こう