詩人:やまーのふ
内心、俺は非常に焦っていた。内臓が煮えくり返りそうだった。いつもと同じ、何事もなくただひたすらにへらへらと笑顔で道化を演じ続けた。
誰にも、
誰にも絶対にばれない自信があったから。絶対にわかりっこない。誰も気付くはずない…そう、思っていた。
でも実際は違った。
一人だけ、
たった一人だけ、
愚かな道化を演じる、本当の俺に気付きやがった。
何故?
台本通り、完璧のはずなのに。
何故?
俺は何一つミスをおかしたつもりはない。
何故?
【それ】がいけなかった。
答えはいたってシンプル。
おなじ『演技者』だったって事だ。