詩人:花
一生を注いだ空洞を
何かで塞がなかったら
きっと
壊れたままで
淋しいままで
悲しいままで
「心以外の僕をあげる」
そう言われた気がした
箱の中
還る理由さえ私に被せた
在るべき場所を
見つけたんだね
在るべき心
在るべき場所に返して
ニ度目の後悔しない人生を歩む
再生した皮膚が
私を押し退け
居場所を奪う
さあ
君も帰りなさい
在るべき場所へ
在るべき場所へ
パタンと閉まる
ドアの前
短剣を喉に突き刺した
本物はいつもひとつ
ひとつなんだと
塵になりて
散りになりて
2010/04/23 (Fri)