詩人:樂也
白い朝もやの空は くすんでてよくみえない
起きだした鳥たちの声も くもってきこえる
僕たちはまだ眠いんだ
目を閉じたまま 意識して空気を吸いこむ
一晩かけて澄まされた霊気が肺に満ちてる
どこかの野焚きのにおいもかすかにまじる
昨日の旅の疲れも癒えぬままの見張り番の仲間が咳払いする
五時半の朝焼けが もやを貫く
みんなで手を合わせ 祈りと感謝と今をかみしめる 世界ありがとう
ああ 宇宙を敬うということは
この旅を敬い 僕たちを敬うということ
僕たちは まぎれもなく宇宙だから
この旅は 世界を救う旅じゃない
それよりずっとすごいこと
「たとえ世界が滅びても」はよくきくセリフ
だから今だれかと何かをわかちあってること
世界を共有してることは
ものすごくすごいこと
世界はほろびない
今日もこの旅をつづける