詩人:山崎 登重雄
泡沫の夢が
静かに眠り始める
いつものように人は
何かを求め
何かに縋り
何かを忘れる為に
一握りの夢間を過ごし
やがて眠りは深く
古から繰り返される
召され逝く命
ニセモノの神話に
警鐘を鳴らしながら
一握りの夢間を過ごし
また深く深く眠る
次に訪れる
数え切れない雨の洗礼
その先には
真夏の宴が両手を広げ
夢は時に溶けながら
感謝と冥福の祈りを
その手の中に携えている
心のどこかに
鐘の音を忘れないで
夢間に眠る魂の為に
目覚めたからこそ
今ここにいる
夢を見るならば
心のどこかに
鐘の音を忘れないで