詩人:Ray
『それは我慢なの?
それとも…』
夜だけが救いだった。
僕は
独りぼっちを誰より一番嫌うくせに
静寂と冷たく平らな空気を持つ夜を好んだ。
人を温かく包み込む空気に憧れて
それを望んでいるのは確かだ
けど
その空気が怖くて仕方がない。
夜よりも敏感で弱くて
小さなキッカケで
パリンッと
壊れてしまいそうで
僕には不向きだと
分かってしまった。
時を重ねれば重ねる程
強くなるはずの心は
日に日にガラスを掻き集め
やがて引き伸ばし
実に希薄なモノと成った。
『…それは…』
言うなと 思った。
救われるだろう詞は知り得ないけど
壊されるだろう詞は、
知ってるんだ。