詩人:剛田奇作
風のそよぎは懐かしい白
悲しみと君の色
悲しみはそっと僕らの喉に刺さり
咳き込みながら
戸惑いながら
受け入れるんだろう
牢獄に入っている囚人も
僕らと、ほんとは違いなんかない
風になびく白いシーツ
あんなふうに
悲しみの向こうで
手招きして
悲しみにいちばん近い色は 白
はにかみながら僕らは描くんだろう
赤ちゃんに 筆を握らせて
神様にいたずら仕掛けよう
悲しみはふっと君を訪ねるだろう
それは 決して 暗闇なんかじゃなく
白いバスに乗り込んで
アコースティックな音色の中に
悲しみが 君を癒すんだろう
僕と
悲しみの優しさに 微笑むんだろう