詩人:甘味亭 真朱麻呂
悴んだ両手に息を吹きかけ
白くなった街を歩いていた
もう季節は冬だね
言わなくてもわかるくらいに街は冬の色をしてる
それぞれが願った想いは空へと舞い上がり
サンタクロースにプレゼントを配らせる
あの日願った
ただ一つの願い
ほしかったラジコンよりも
もっともっと大切なことなんだ
それはなくしたはずのお母さん
ごくありふれた幸せをくれた
とっても大好きな僕のお母さん
どうして願いは届いてくれないの?
毎年願っているのにお母さんは帰ってこない
ねぇパパなんでママは帰ってこないの
パパはただただ僕の頭を撫でて
瞳を濡らして笑っていた
僕に届いたもの
それはラジコンカー
お母さんじゃない
何でだろう何でなんだろう
お母さんはどうして僕にあってくれないの
幼いときそれがどうしても不思議でたまらなかった
大人になってようやくわかったよ
お父さん…。