詩人:老女と口紅。
祈り
闇夜にまぎれ断崖絶壁へと歩み立つ
何度も我身を岩肌にあてる波
砕け散る力に一筋の涙
我の閉ざした心の鍵をくわえ逃げ去る青い鳥
両腕を大きく広げ天を仰ぐ
瞳を閉じ 南へ急ぐ北風を全身で受け止めてみる
指先から擦り抜けて行く時空 無量‥
我の歪んだ欲望がメッキの如く剥がれ落ちてゆく
と
同時に灯台から放たれる 閃光
我の魂を乗せ
天空を
宇宙を
貫くその先に
一瞬 人類の未来
千年先を見た気がした
祈りはいつ
平和へと
形を変えるのだろうか‥
2007/01/13 (Sat)