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[47981] お爺

詩人:遥 カズナ

深海にある伝説の貝には


そこへたどり着く者に


一番大切な物を包んで待っていると言う


鮫達があざ笑う中


僕は


岬の崖から飛び込んだ


僕は鯨よりも息が長いのだけれど


理由が無くて


今迄 深くは潜らずにいただけなんだ


難破船をかすめ


珊瑚の産卵を擦り抜け


深く 深く 下りて行く…


今なら帰れる迄 息は続くけれど


お爺が死んでから


僕の帰りを待つ人はいない


もう光りも届かない程 下りて来た


人魚達も泣いている


だけど僕は信じている


お爺が


その貝の話しをしてくれたのだから

2006/12/07 (Thu)
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