詩人:重夏
ぽとり、と花の落ちる気配恐ろしいほどの静寂を突然の夕立が掻き消してゆくまるで絹糸のように細い雨の中淡く浮き上がる梔子(くちなし)の花噎せ返るほどに立ち込める甘い香り夕立の湿りを帯びたそれは時間が経つにつれ漂いながら濃さを増してゆく