詩人:高級スプーン
子育てに飽きられて温かいだけの庭に放置されたまま忘れられた骨と皮だけのヒナ食べる物には困らない環境だから幾ら食べても何一つ身に付かない言葉を知らないひ弱なケモノ潜在的に知識を欲す飢えを凌ぎ渇きに応えるには一体どうすれば虫の呼吸のように囀る呻き頭が弱すぎるから空いてばかりいる満たすにはやるしかない羽のない前肢を広げ闇雲にばたつかせ白い柵に向かって走りだすヒナは自分すらよく分かっていない