詩人:緋子
何をされようと、裏切られようと、
これっぽっちも痛くはない
どんな終末も、すりぬけていく。
好きじゃない。
ただそれだけに行き着いて、
ただそれだけに終わる
ありふれた言葉に、
ありふれた答えを返すだけ。
好きなんじゃなくて、
嫌われたくないだけ。
私の恋愛。
音のない、意味のない、
乾いた心臓を長い髪で覆い隠し
恥じらいに見えたなら笑顔で釘を打っておくよ
中身なんてないのに
跳び跳ねて、はにかんでみても
心は波打たない
その正体に気づくのは、いつも終わってから。
私は君という他人じゃなくなった他人に
どうせなら嫌わないでほしかっただけ
好きの本質も知らないで、貪ったつもりになろうとしてただけ
真面目に真正面に向き合うことができる愛を知りたかったけれど
掴むことができた時点できっとそれはニセモノなの。