詩人:ワタナー
ある昼下がり
縁側で日向ぼっこ
膝の上に違和感を感じた
一匹の蟻が
俺の膝の上に迷い込んだ
仲間とはぐれて慌てているのか
俺が怖くてパニクっているのか
俺の膝の上で
あっちへ行ったり
こっちへ行ったり
ここはどこだろう?
僕はこれからどうなるのだろう?
そんな気持ちなのかもしれない
自分なんかじゃどうしようもない
とても大きな力に
生死を握られるなんて想像できない
きっと恐怖を通り越して何も考えられないだろうな
俺の膝の上にいるのが俺だったら
きっと泣いてる
そう思って
蟻は殺さずそっと地面に帰してやる
自己満足かもしれないが
ただ
自分がそうしてやるだけで
その蟻が幸せになれるのなら
俺は良かったと思える
特に感謝もしてないだろうがね