詩人:猫の影
そこにあったはずのあれは
どういうわけかそこにはない
おぼろげな過去をひきずりだして
眠りこんでた記憶をたたきおこしても
どうしてだろう、どこにも見当たらない
あったはずなのにそこにはなくて
いくらさがしても見つかんなくて
諦めたって独り言
だけどそれでも気になるさがしもの
そこにあったはずのあれは
いつのまにかにそこにはなくて
もういいやなんて思ってみるけど
結局またさがしはじめる僕がいる
だってそう、あれがなけりゃあはじまんないんだ
いつでもそこにあるなんてもう思わないから出てきてよ
これからはちゃんと場所を決めて大事にするから
これからはもっと大切にするから
だからお願い、僕の元へ
僕の所へ帰って来てよ
忘れた頃に、なんて困るんだ
忘れることが、きっと僕にはできないから
だからお願い、僕の元へ
僕の所へ帰って来てよ
僕の大事なさがしもの