高級スプーン似の部屋
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[179233] むしのいき
詩人:高級スプーン似
目的がなくても
握る手はあたたかい
喧騒の中
たったひとつの
言葉も必要なくて
隣で寝息を立てる
あなたのすべてが
愛おしい
密閉された夜
星々は帳の外
伸ばした手は溺れ
このまま
沈んでいくことに
望みすら覚えた時
無抵抗のむしに
一縷のぬくもりが
気付けば
理由もなく
その手を握り返していた
あたたかい
2012/10/28 (Sun)
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