詩人:しゅんすけ
鮮やかなみどりの斑点が
造りの良い皮貼の椅子に塗りつけられている
一畳程もあるキャンパスに殴りつけられた過去や
ポストカードに託された世界への愛に囲まれながら
まだそれがただの仕立ての良い椅子だった頃誰もがしたように
勢いよく体を預ける
一度捨てられたものばかりを集めた場所
谷から吹き上げる風が窓を揺らすと
彼らの記憶の音が聞こえる
棄てる事はとても勇気のいることだ
拾う事だって簡単なことではない
誰かが棄て誰かが拾う
そんな繋がりで俺は生かされている
廃材を組み上げた主役のいないステージを見ながら
ぼんやりと
感謝って事がわかった気がした