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[180074] まぼろし

詩人:どるとる


うなだれる僕の横顔に月の光差し込んで
申し訳程度の灯りが揺れている

生きていることもこの頃は味気ない
味のなくなったガムのよう 耐え難い

歩き続けてどこまで行くのだろう
行き先も宛もない旅の終わりはどこだ

帰り道ひとり気づけば ため息をつく自分を見つける
ごまかすように空を見上げても

ああ 生きること
例えば 息をすること
それさえ嫌になるよ
だけど

例えばいつか消えるなら 今みたいな時間もまぼろしと同じ
だけど痛みは本物

だから逃げられない

窓の向こうの夜
覗き込めばたちまち
万華鏡 いくつもの自分が見える

朝になるまで 悩んでいればいいかな
夜が明けるまで 迷ってればいいかな

すべてまぼろしだ
せめてそう思わせて。

2012/12/25 (Tue)
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