詩人:雪 刀寿
傷が痛んで麻痺した心に、愛の言葉は届かなかった去ってゆく姿に「甘い汁」がにじむ遅れて湧く愛の全貌鈍く離れる にがい夢が、この身体をキリリと刺すよ声にならない悲鳴をきけずに、歪んだ人格を隠せず、立ち尽くしているせめて、まるいくちもとで、さよならを まろやかに言えたなら、うれしいけど残る味に、レモン色の治癒剤を浮かばせて。