詩人:猫の影
僕は結局、
自分が嫌いで、
それと同じくらい君を求めていて、
だけどきっと、自分が1番可愛いんだね。
人が人を求めるのに、
何か深遠な理由がいるとは思わない。
それはきっと、人に残された数少ない思い出なんだろう。
僕を見て欲しい、
僕の声を聞いて欲しい、
たとえそれが醜いものだとしても、
それが僕なのだから。
僕らはいつも、
不安の淵をさ迷って、
悲しみの底を手探りで歩くけど、
幸せのための道がわからないんだね。
僕が君を求める理由なんて、
たいして崇高な感情からなんかじゃなくて、
ただ単純に寂しいからなのかもね。
自分の存在を、誰かに認められたくて、
確かめたくて…。
愛してるとか、
大好きだとか、
使い古された表現では、
もう君をつなぎとめられない。
君に依存してるといったって、
僕の言葉はあまりにも無力だろう。
僕を見て、
声を聞いて…
醜いんだよ。
なのに君は…馬鹿なんだよ。
君と喧嘩しただけで、
僕にはちょっと楽しかったことも、
伝える相手がいなくなるんだ。
だからねぇ、
僕の醜さを否定しないで、
僕をそっと抱きしめて、
僕をずっと守っていてよ。
君がいないと、
生きるのも怖いんだ。