詩人:夢野咲道
秋の夜半に降る雨は
寂しさのスイッチを入れに来る
窓を伝う雨の滴に
後悔の数だけ
想い出が写る
寂しくて
切なくて
乾いた心に沁みては来るけど
もう涙も出やしない
秋の夜半に降る雨は
ぽっかり空いた隣に座る
窓打つ雨に押されて
想い出も流されていく
雨に歪んだガラスの向こう
哀しくて
切なくて
忘れた事さえ忘れてた事
想い出させて知らん顔
どうせなら
どうせなら
いっそ流してくれれば良い
何もかも 何もかも
秋の夜半に降る雨は
枯れた想いを濡らして過ぎる
2008/02/25 (Mon)