詩人:遙香
僕は拭えなかった、最後のナミダを。僕は繋げなかった、冷えた手を。僕は近付けなかった、華奢な体のそばに。無力な僕を許してくれとは言わないよ。ただ、毎日のように笑っては泣く見慣れた君の姿が、霞んで見 え な い。ああ、僕はどこまでも無力なんだと今日も天を仰いだ。