詩人:紙一重
冷たかった部屋
暖かいと思っていた
幸せだと思っていた
その部屋を出る時に泣いた
ほんとうに楽しかったよって ありがとうを言って出てきた
その部屋を出て気付いた
外の方が暖かかった
自分の体がいかに冷えていたか気付き
今更震えた
あの部屋での楽しい出来事 感謝の言葉もすべて薄れた
ただ悪かった思い出がかけめぐった
人間は勝手だ
変わらないと思っていたその時の気持ちなど
一瞬のうちに消え失せる
私は勝手だ
新しい環境の暖かさにもう甘えている
今までの生活はなんだったの
ひどく無力感を感じる
思いなんて一瞬だ
でも今この時は思っている
確かに思っている
今私は暖かい部屋にいると
思っている