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[86171] 硝子玉

詩人:36

ふと足元にコツンと何かがあたった
カランコロンと音をたてて
思ったよりも長く転がった

それは遠目にはきれいに透き通った小さなビー玉だった
なぜかふと気になってそいつを捕まえた
透き通っていたはずのそいつは傷だらけで
ひとめでボロボロだとわかった



いったい何度けられたのだろう
いったいどれほど転がったのだろう
身体いっぱいに傷をつけ
ただ されるがままに
涙も流せずに
ただただ傷ついていく


なぜだろうか
それがまるで心に見えた

知らぬ間に傷がつき
知らぬ間に透き通ることを忘れていってしまう


だけど知っていて欲しい
どれほど傷ついて真っ白になろうとも
中はいつまでも透き通り続けていることを

そのビー玉を
もう傷つけたくなくて
そっとポケットに入れてやった

2006/09/23 (Sat)
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