詩人:どるとる
本に とりつかれた
人がいました
本の中で晩年を
迎えたらしい
夢に とりつかれた
人がいました
夢を見ながら
生きたいと
睡眠薬に溺れました
食べることに
とりつかれた
人がいました
食べ続けて
食べ続けて
最後は 胃を壊して
苦しみながら
果てました
人は誰も心の中に
病の巣を 抱いて
自分は人より正常と思い込み生きている
人の異常を指差して自分がどれほど正常かと 語る愚か者
正常なものなどない
ただ皆 それぞれの異常と正常を誰より
弁えたつもりで生きている。
2014/02/16 (Sun)